今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?
密猟者達ノ宴ガチャで、SSの観測の書、Sの迷いの槍、偽善の証、Aの誓約の短剣、乙女の純真、盲信者の怨念、災いの弓、邂逅の逡巡、賢者の杖、夢幻の魔書をゲット!
「アサリが食べタイのデス」
人形たちのたったその一言で、強引に水着へと着替えさせらえたいばら姫は呆然としている。
その横で、人魚姫はバケツと熊手を悲しげにいじっていた。
「水の仲間を獲るなんて可哀想」
「まあいいか、アサリはお味噌汁にすれば睡眠効果も高まるって聞いたし」
「私、可哀想」
話がかみ合わないまま、二人は砂浜を歩き始めた。
「ぼ、ぼくは悪いアサリじゃないよぅ」
幼いアサリは、大きな目にいっぱいの涙をためている。
「こんな小さい子を食べても、きっとおいしくないわ」
「そうです。こんなの可哀想・・・」
期せずしてアサリをかばう発言に、二人の姫は顔を見合わせてた。
助けた幼いアサリを前にして、ギシンとアンキは二人の姫に耳打ちをした。
「ヨクボウを叶えてくれナイと、永遠に潮干狩りをサセますヨ?」
いばら姫と人魚姫は溜息をついて、幼いアサリに声をかけた。
「一緒に、お母さんを探しましょう?」
幼いアサリは命を救ってくれた二人の姫にすっかり懐いていた。
二人の周りを飛び跳ねるようについてくる無邪気なアサリに、いばら姫と人魚姫は苦笑していた。
「弟がいたら、こんな感じかな?」
「母に姉に弟に・・・なんだが、私達家族みたい」
でも、いばら姫は人形たちの言葉を思い出していた。
「あの子ヲ親元に帰ス振りをシテ、一網打尽にしまショウ!」
「れっつアサリパーティ!」
はしゃぐ人形たちに、姫たちは顔をしかめた。
それに気づいたのか、ギシンとアンキはさらに耳打ちをする。
「言ウ通りにシタら、魔晶石をあげまショウ!」
「・・・ほんと、酷い話」
いばら姫は溜息をついた。
(この子を親元に帰したら、みんなその場で捕まえられて、ギシンとアンキに食べられてしまうう)
(でも、そうしないと私たちは永遠に潮干狩り・・・)
いばら姫と人魚姫は、抱いたことのない罪悪感に悩まされていた。
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