今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?
ギルドボックスガチャで、獣の脂Lv1、強化の石板(Ⅲ)、強化の剣(Ⅳ)をゲット。
刀に引きずられるような争いはごめんだ。
早々にその場を離脱し、手にした刀を投げ捨てる。
「待って!捨てないで!ごめんなさい!捨てないでぇ!」
「・・・ああ、アンタ捨てられるのが怖いんだ?」
無機質の刀身がぴくりと震える。
こういう素直な反応は好きだ。
「いいよ。少し話そうか」
できるだけやさしい声で私は話す。・・・後でズタズタにするために。
源義経の愛人、白拍子の静御前。
義経が兄である頼朝の追われて都落ちする際に同行するも、吉野山にて別離を言い渡される。
その後捕まり、頼朝の前で義経を想いながら舞った話は有名だ。
捨てられた恐怖を隠すように、愛しき人への想いを刀は謡う。
その哀切に満ちた歌に、シンデレラは「馬鹿じゃないの」と小さくつぶやいた。
1節クリアして、進化ノ巻物(シンデレラ)をゲット。
「ごめんね?あの二人仲が悪くって。ほら、正妻と愛人ってやつ」
「・・・軽薄ね」
「鎌倉時代じゃ当たり前でしょ。義経様はどっちも平等に愛してたよ。
だから一人は残して、一人は道連れにしたんだ。」
それは平等と言えるの?
それより愛は平等なの?
薄緑は名前の由来を口ずさむ。
「私は、この名前さえあればいい。膝丸だの蜘蛛切りだの吠丸だの、勇ましい名前もいただいたけど、穏やかな風景の名をくださったのは義経様だけだった。」
自分とは違う愛の形に、アリスは首を左右に振った。
2節クリアして、進化ノ巻物(アリス)をゲット。
今剣は品よく溜息をつく。
「白拍子って嫌ね。私の主様とは生まれも育ちも違うのに、無駄張り合おうとするのだもの。」
「しらびょうし?」
「男に芸を売って生きる仕事です。
まあ、体も売るのですけど。」
「買ったら遊べるの?」
「遊べますわ」
「じゃあ、ボクも買おうかな」
遊ぶことの意味を違えたままに、一人と一振りは微笑んだ。
「義経公が自刃する際に使われた刀。それが私です。
捨てられた無銘は話にならず。義経様の愛刀だった薄緑も選ばれず。
その最期を看取ったのは私なのです!」
「自刃って自殺?」
「そうですね」
「自分で自分を斬るんだ。ちょっと楽しそうです」
「あなたが自刃する際はぜひ私をお使いください」
「うん、ありがとう!」
赤ずきんは幸せそうに笑った。
「愛されていたのは私の主よ。だから、義経様は敢えて残したの。」
優しく頷きながら、違うよ、と心の中で嘲笑う。
「どんなに凄い由来を持っていても、好きな人を守れないのは少しつらいね」
自分は途中で奉納されちゃったから、と笑う声は、とても切なかった。
「三振りの中で最も愛されたのは私。
郷御前の心も満たされたことでしょう」
愛されると満たされる?
何が?わからない。
刀は私を信頼している。
竈に火を入れる瞬間が待ち遠しい。
刀たちの想い。それを終わらせないと私は前に進めない。
私は、私のモノガタリを。
刀さんとのお喋りは楽しいけれど、やっぱり・・・
飽きました。
示し合わせたように、振袖の三人と三振りの刀は再会した。
三者三様、一触即発。
そこに現れたナイトメアは果たして何を意味するのか。
「年ノ瀬に払われるべき煩悩」
「ソレが刀たちの未練と相まッテ、コノ世界と敵を生み出したわけデス」
三者三様、一側触発。
いつの間にか馴染んだ振袖を翻しながら、アリスたちは崩れ行く世界から去っていった。
・・・そう、煩悩も未練も祓われた。
けれど、目覚めてしまった。
斬る喜びに。戦う意思に。
「ナラバ、好きなダケ血を吸えばイイ」
「義経公も本望でショウ」
・・・ああ、そうだった。
崩れ行く世界に赤い飛沫が飛ぶ。
無抵抗なナイトメアの血で濡れた刀身は、それはそれは美しかった。
4節で、鍵ノ巻物-(ろ)-参をゲット。
・シンデレラが持っているのが、義経の愛人、静御前の刀の無銘。愛されているから遺された、と誇りにしてるが、義経に道連れにされなかったことがコンプレックスにもなっている。名前がない(無銘)こともコンプレックス。
・アリスが持っているのが、義経の刀の薄緑。源氏代々に伝わる刀で、主によって名前が変えられた。由緒あることが誇り。奉納されて主と共にいられなかったことがコンプレックス。
・赤ずきんが持っているのが、義経の正妻、郷御前の刀の今剣。義経自刃に使われた。義経と最期までいられたことが誇り。他二振りより知名度が低いことがコンプレックス。
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