今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?
駅のホームに女が一人揺れている。
また一つ、電車が通り過ぎていく。
「まだ、覚悟ができないの?」
「泡のように消えてしまうのが怖い?」
女は自分に問いかける。
幕が降りて、初めて悲劇は完成する。
だから、足を踏み出さなくては・・・
あなたの望む最高の結末に向かって。
私の仕事は笑うこと。
会社の受付に、ぽつんと飾られた花。
食事に誘う訪問者に笑みを浮かべ。
言い寄る上司に笑みを浮かべ。
それを見た同僚の嫌味い笑みを浮かべ。
ほかに何もできない、憐れな花。
笑顔は軽薄な嘘。微笑みは欺瞞の証。
それを振りまく自分が醜いものに思えて。
一人になると、泣いてばかりいた。
泣いている私だけが、本当の私。
透き通った涙だけが、私の真実。
誰も知らない、綺麗な私。
そんな時、あの人に出会った。
涙の海に沈む私を救ってくれた人。
たった人いの私の理解者。
私を、「可哀想」だと言ってくれた。
私たちがどんなに愛し合っても、彼の薬指には、別のひとの指輪がある。
幸せな結末なんて、許されるはずはない。
それでも、想いをかえることはできずに。
私はただ彼を愛し続ける。
そしてまた、頬を涙が伝っていく。
美しい悲哀のひと雫が。
なんて悲しいお話かしら!
幸せはもろい。
砂で作ったお城と同じ。
崩れた後に残るには何?
悲しみ。
悲しみには果てがない。
哀しみには終わりがない。
美しく静謐な海のように。
本当はずっと知っていたの。
あなたが私を愛してないこと。
離婚する気がないってこと。
あなたは若い女と寝たかっただけ。
それでも・・・私の愛は変わらない。
だって、苦しければ苦しいほど、悲しければ悲しいほど、私の愛の美しさが証明されるのだから。
あなたが私を裏切っても、私はあなたを愛し続ける。
私の愛だけが、唯一で、真実の愛。
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