今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?
ふらふらと、制服姿のOLがあてどなく街中を歩いていた。
同じころ、殺し屋の少女は裏路地を必死に走っていた。
これは、3日前のお話。
私は悪くない。
あれはただの事故。不幸な出来事。
困りました。
この前殺したおじさんは、ヤバイ筋の偉い人だったみたい。
仲間がすごく怒ってる。
殺そうなんて、思ってなかった。
あんなに簡単に死んだ、あの人が悪い。
仇を討てと、チンピラ共が追ってくる。
あいつらはいつもそうだ。親とか杯とか。
バカみたい。
奥さんがいるのに、言い寄ってきたあの人が悪い。
可哀想なのは私。同情されるべきなのは私。
仲間が殺されたら悲しい?
-ボクは、いつも1人だからわからない。
相手が死んだ私は可哀想-
ああ、なんてステキなの・・・
狩る立場から狩られる立場に。
これはこれで楽しいね?
さあ、おじさんたち、遊びましょう!
裏路地に追い詰められた殺し屋の少女。
命を奪いながら少女は笑う。
「さあ、遊ぼう?」
OLは乱れた制服のままふらふらと歩いて路地裏へと迷い込む。
「可哀想な私・・・もっと見て・・・」
夢遊病のように泳ぐOLと、ナイフを持った少女に視線が交差した。
路地裏の凶行は、ものの数分で終わった。殺し屋の少女の周りにはチンピラヤクザの死体が重なっている。
けれど、少女も血まみれで。
殴られて腫れあがった白い頬。
苦し気に体を折り曲げて血の混じった痰を吐く。
そんな、ぼろ雑巾のような少女を見て。
「私の方が可哀想・・・」
女性は、その場から、ふらりと立ち去った。
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