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チラシの裏~勇者でいこう
ヘタレな勇者のブログ

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 密猟者達ノ宴ガチャで、SSの観測の書、Sの迷いの槍、偽善の証、Aの誓約の短剣、乙女の純真、盲信者の怨念、災いの弓、邂逅の逡巡、賢者の杖、夢幻の魔書をゲット!


 「アサリが食べタイのデス」
 人形たちのたったその一言で、強引に水着へと着替えさせらえたいばら姫は呆然としている。
 その横で、人魚姫はバケツと熊手を悲しげにいじっていた。
 「水の仲間を獲るなんて可哀想」
 「まあいいか、アサリはお味噌汁にすれば睡眠効果も高まるって聞いたし」
 「私、可哀想」
 話がかみ合わないまま、二人は砂浜を歩き始めた。


 「ぼ、ぼくは悪いアサリじゃないよぅ」
 幼いアサリは、大きな目にいっぱいの涙をためている。
 「こんな小さい子を食べても、きっとおいしくないわ」
 「そうです。こんなの可哀想・・・」
 期せずしてアサリをかばう発言に、二人の姫は顔を見合わせてた。


 助けた幼いアサリを前にして、ギシンとアンキは二人の姫に耳打ちをした。
 「ヨクボウを叶えてくれナイと、永遠に潮干狩りをサセますヨ?」
 いばら姫と人魚姫は溜息をついて、幼いアサリに声をかけた。
 「一緒に、お母さんを探しましょう?」


 幼いアサリは命を救ってくれた二人の姫にすっかり懐いていた。
 二人の周りを飛び跳ねるようについてくる無邪気なアサリに、いばら姫と人魚姫は苦笑していた。
 「弟がいたら、こんな感じかな?」
 「母に姉に弟に・・・なんだが、私達家族みたい」
 でも、いばら姫は人形たちの言葉を思い出していた。


 「あの子ヲ親元に帰ス振りをシテ、一網打尽にしまショウ!」
 「れっつアサリパーティ!」
 はしゃぐ人形たちに、姫たちは顔をしかめた。
 それに気づいたのか、ギシンとアンキはさらに耳打ちをする。
 「言ウ通りにシタら、魔晶石をあげまショウ!」
 「・・・ほんと、酷い話」
 いばら姫は溜息をついた。


 (この子を親元に帰したら、みんなその場で捕まえられて、ギシンとアンキに食べられてしまうう)
 (でも、そうしないと私たちは永遠に潮干狩り・・・)
 いばら姫と人魚姫は、抱いたことのない罪悪感に悩まされていた。
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 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 武器商人ガチャ:第3弾で、SSのミハイル、Sの鋼鉄の宵星、大狼の弓、革命の大槌、Aの強者の大槌、強欲の魔笛、竜化の鎌、邂逅の逡巡、農民の弓X2をゲット!


 射的ガチャで、竜の爪(風)Lv1、竜の爪(水)Lv1、竜の爪(火)Lv1、竜の鱗(風)Lv2、竜の瞳(火)Lv3、竜の瞳(水)Lv3、強化の剣(Ⅱ)、強化の剣(Ⅲ)、鳥類の翼Lv2、コロシアム補助の宝玉(Ⅲ)、序の書、奇術師の杖 Sをゲット!


 ギルドボックスガチャで、強化の石板(Ⅱ)、強化の石板(Ⅲ)、強化の石板(Ⅳ)、強化の石板(Ⅴ)、強化の剣(Ⅳ)、強化の剣(Ⅴ)、獣の脂Lv1、植物の粘液Lv2、蛇の生き血Lv3、金のズタ袋、黒鉄メダルをゲット。


 武器商人ガチャ:第4弾で、Sの蘇生の禁書、水帝の杖、Aの混沌たる欲望、誓約の短剣、世界樹に関する考察、割実の提琴、見習いの杖、忘却の本意、妖精の歌X2をゲット!


 1節で、ゼロの服[長柄] A、ゼロの靴[祈祷] A、ゼロの服[刀剣] Aをゲット!
 

 5節で、ゼロの手甲[祈祷] A、ゼロの靴[長柄] Aをゲット!


 8節で、ゼロの手甲[長柄] Aをゲット!



 12節で、ゼロの手甲[刀剣] Aをゲット!


 15節クリアして、ゼロ/ブレイカーのアルカナLv2をゲット。

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 2節で全滅・・・

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 ゼロ/ブレイカー解放!


 武器商人ガチャ:第1弾で、Sの復讐の薙刀、惑わしの目、Aの竜化の鎌、悪女の悲劇、誓約の短剣、亡国の古銃、愛緑者の聖槍、強者の大鎚、権力の王笏、忘却の本意をゲット!


 射的ガチャで、強化の盾(Ⅱ)、鳥類の翼Lv2、強化の剣(Ⅴ)、竜の鱗(風)Lv2、竜の爪(風) Lv1、竜の瞳(水)Lv3、竜の瞳(風)Lv3、銅のズタ袋、SSの孤独ノ双子をゲット。


 武器商人ガチャ:第2弾で、SSのミハイル、Sの永劫の車輪、覇者の剣、瞳の刀、逆刻の呪術書、Aの無銘、偽善者の施し、竜化の鎌、農民の弓、割実の提琴をゲット!


 最初に感じられたのは痛み。
 右手には剣が握りしめられて、左手を見ると・・・金属の甲冑が鈍く光っていて。
 散らばった雨が一つの流れになるように、私は私の感情と記憶が調和していくのを感じていた。
 私の名前はゼロ。
 呪われしウタヒメを屠る者。


 ゼロ!?わぁ、ゼロだ!
 ミハイルだよ!?
 「は?だって、お前その恰好・・・」
 手があるぞ、指もある?
 僕ドラゴンでしょ?
 ゼロ!どうしよう!!


 死んだはずなのに生き返った自分。
 なぜか人間の姿になってしまったミハイル。
 とりあえず、全部殺すことにした。


 これでまで見たことない怖い人たちが襲ってくるよ!
 ゼロはこわくないの?
 こわくない?じゃあ問題ないね!


 3節クリアして、ゼロの花[刀剣] Aをゲット!


 この場所は私が知っている「教会都市」とは何かが違う気がする。
 ・・・まあ、いいか。そのうち判るだろう。


 「僕、ドラゴンに戻った方がいいの?」
 そうだ。キミは、竜に戻る必要があるんだ。
 私を殺すために。
 その言葉を、私は喉の奥に呑み込んだ。


 バケモノは悲鳴を上げながら崩れていく。
 あれはウタウタイと呼ばれるゼロの敵。
 何かの理由で、再び現れた、ゼロの・・・妹たち。
 「何度でも、何度でも殺してやる」
 ゼロはそう言うと、剣を振り下ろす。
 妹たちだったソレを見ながら、ゼロは薄く笑っていた。


 呪われしウタウタイとなった、妹たちを殺した愚かな姉である私を罰するための場所。


 6節クリアで、ゼロの服[祈祷] Aをゲット!


 それでも僕は、ゼロと一緒にいるよ?
 だって、それが僕の役目だから。
 そういう風に・・・「作られてる」んでしょ?僕は。


 その人形は唐突に私たちの前に現れた。
 「貴方がゼロ・・・その目に咲く花で世界を滅ボス存在」
 その音が鳴りやむ前に、私は人形たちを薙ぎ払った。
 振り返ると、同じ人形が再び立っている。
 「呪われし世界ライブラリへ、ヨウコソ!」


 あれはゼロも妹トウと、その使徒セント。
 そんなの酷いよ。
 だって二人とも好き同士だったのに。
 せっかくあの世で二人とも仲良くされたのに。
 「アノ世?」
 「ソンナ場所がドコニ?」
 その言葉を聞いて僕が振り返ったときには、もう人形たちは消えてしまっていた。


 気味の悪い人形たちの言葉は、低く響く。
 「貴方たちは再び殺し合うだろう」
 いいだろう。妹たちも、人形たちも、全部壊す。
 それしか自分にはできないのだから。


 9節クリアして、ゼロの手甲[長柄] Aをゲット!


 ねぇ、ゼロ。
 この世界の人たちは、なんだかコワイよ。
 どこかからっぽで、でも、黒い感情に満たされているんだ。


 対しても倒しても出てくる敵。
 いつの間にか笑っている。
 ここは私に相応しい地獄だった。


 周囲の空間が突如歪み始める。
 再び目を開けた時には別の場所に送られていた。
 人形たちが騒ぐ。
 「ここハ現代!」
 「全ては繋がってイルノデス!」
 私はミハイルを連れて、見知らぬ都市のノカに踏み込んでいった。


 バケモノと化したワンは血を噴き出しながら黒い粉へとかわってゆく。
 「なあ、ゼロ・・・」
 呪われたウタヒメを率いていた妹ワンの声。
 「私たちは、間違った存在なんだよ・・・」
 振り向くと、黒い霧がミハイルを吸い込もうとしている。
 私は飛び込むようにその霧に向かった斬りかかるが、手ごたえはない。
 「全部終わらせよう・・・ゼロ」


 12節クリアで、ゼロの靴[魔書] Aをゲット!


 この目に咲く「花」は世界を滅ぼす。
 確かに私たちは間違った存在だ。
 ミハイル・・・キミは、必ず、助ける!


 特異点たるゼロは時空を超え、ミハイルの救出に向かった。
 再び、ミハイルに殺されるために。


 立て続けに現れる凶悪な敵。
 剣の動きは鈍り、足がもつれる。
 「貴様は死にべき存在。邪悪な花を持つ死のウタヒメ」
 血の混じった唾を吐く。
 だが、私が死ぬのは、お前たちを全部殺して、ミハイルを助けてからだ。
 「・・・愚かな」
 黒い霧が再び巻き上がる。
 その中から現れたのは・・・再び蘇った妹たちだった。


 僕が目覚めると、目の前にゼロが横たわっていた。
 揺れる睫毛が、彼女がまだ生きていることを示していた。
 眩しい陽射しを遮ろうと手を持ち上げるが、バランスを崩して転んでしまう。
 ああ、僕はドラゴンの形に戻ったんだ・・・
 そのことが何を意味しているのか僕は知っている。
 だけど、今はゼロを守っていたい。


 15節クリアで、孤独ノ双子ゼロ/ブレイカーのアルカナをゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 最近オークちゃんの元気がない。
 二人の考えは同じだった。
 最近はやっている噂のことだ。
 オークちゃんはなにもできないのに威張っているという根も葉もない噂。
 きっとオークちゃんはその噂を気にして私たちの前から姿を消したんだ。


 ただ一緒に遊びたかった。
 でもオークちゃんは私達と自分を比べて楽しむことができない。
 「そうだ!楽器を始めよう!」
 スネークちゃんのアイディアはとてもいいと思った。
 それに楽器はオークちゃんにピッタリだと思ったんだ。


 三人で遊ぶ姿を想像して思わず笑顔になる。
 でも、心配性なスネークちゃんは違ったらしい。
 「もし私たちのほうがうまくなっちゃったらまた負い目を感じちゃうかも。」
 三人でいると、スネークちゃんはよく後ろを確認する。
 でも、そのやさしさをオークちゃんを傷つけていることを知っている。


 私なら二人の全部をわかってあげられる。
 二人の隙間を埋めてあげられる。
 だからもう、オークちゃんに寂しい思いはさせないよ。


 オークちゃんには少し抜けているところがあった。
 そして社会はそれを見逃さなかった。
 「気に入らない」だけで仲間外れを選ぶ残酷なシステム。
 その標的になっていたのだ。
 「そんなのバカみたい」
 そう考えた私たちはオークちゃんに手を差し伸べた。
 それが私たちの始まりだった。


 誰にだっていいところはあるとオークちゃんに教えてもらった。
 自分よりか弱い存在を見つけて、助けてあげるのが得意だった。


 スネークちゃんの誕生日。
 オークちゃんは大切にしていた石をプレゼントしていた。
 何の気なしに言った「カワイイ」という言葉を鵜呑みにしてしまったんだろう。
 私の目にもゴミにしか見えなかったけどオークちゃんの気持ちを想えば光輝く宝石のように見えた。
 そうやって私たちは、言葉にしなくても思い合うことができる理想の三人組だった。


 あと少しで元の三人組の戻ることができる。
 探して、探して、探し続けてある日。
 ようやく森の奥深くでオークちゃんの姿を見つけた。


 「そっか、迷子になってた子の面倒をみてあげていたんだね。」
 ほっとしたのかスネークちゃんは笑う。
 なんでも知っていると思っていたから胸がチクりと痛んだ。


 ちょっと思い込みが強いところがあるけど、優しいオークちゃん。
 みんなにサプライズをするのが大好きで、頼りがいのあるスネークちゃん。
 そして、対照的は二人の意見を尊重してバランスをとる私。
 「私たちは理想の三人組だよね!」


 3節で、音楽隊のシューズ[射出] Aをゲット!


 9節で、音楽隊のボーネット[魔具] Aをゲット!


 10節で、音楽隊のシューズ[楽器] Aをゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 エイプリルフールイベント攻略


 ホーム画面→ミッション→アイテム→掲示板→ミュージアムのメインストーリー衝動編→オプション→各種情報で、石X100と言っているが、実際には石X300をゲット。


 不条理の刃ガチャで、Sの焦がれの飽和、最高の食事、人狼の偽り、呪言の連鎖、Aの世界樹に関する考察、割実の提琴X2、異世界鉱物記、邂逅の逡巡、夢幻の魔書をゲット!


 叡智ノ雫ガチャで、SSの天荒の狼弓、Sの寄セ餌ノ断末魔、欺瞞の薙刀、Aの割実の提琴、災いの弓、悪魔の杖、妖精の歌、誓約の短剣、異世界鉱物記、狂裁者の杖をゲット!


 私たちはいつも三人一緒。
 頭のいいバードちゃん。
 力の強いスネークちゃん。
 二人は私の自慢の友達。
 だから、私の世界は息苦しい。


 二人にはいつも羨望の眼差しが集まる。
 そんなグループに入ることができて私は幸運だ。
 でも、特別な二人と過ごすようになって私は周囲の者たちがとても間抜けに映るようになってしまった。
 「そんなこともできないの?バードちゃんならすぐできるよ」
 「また失敗してる。スネークちゃんはそんな初歩的なミスはしないよ」


 私を妬む者たちは多い。
 最近私の陰口を耳にする。
 でも、二人さえいればなんだってできる。
 だからきっと、私も特別。
 だから二人から離れられない。


 いつも一緒だったなずなのに、最近二人は私に秘密で何かをしている。
 ・・・許さない。
 離れられないようにしてから捨てるなんて、ホントひどい。
 きっと今頃、私を嘲笑っているに違いない。


 今日こそ私に隠れて何をしているか突き止める。
 なんてひどい話なんだろう。
 私は本当に二人のことを大切にしていたのに。
 きっと二人の本性を目の当たりにしたら耐えられない。
 だから、真実を知る前に私は逃げた。


 本当は私も二人と並んでいたかった。
 何も考えず、楽しく遊んでいたかった。
 あぁ、生まれながらに何かを持っているなんてズルいな。


 その時、私は見つけた。
 小さく、震えるか弱い存在を。


 理不尽に怒鳴りつけても、どれだけひどいことをしてもゴーストは私についてくる。
 彼女は私がいないと何もできない。
 ただ、捕食されるのを待つだけだ。
 だから私は彼女にとって特別な存在になれる。
 彼女だけが私を必要としてくれる。
 それが心地よかった。


 ようやくありのままの自分で居られる場所を見つけることができた私は友人を忘れることができるようになっていた。
 だってもう、この子さえいれば、私に存在する価値はあるのだから。
 でも本当は嘘だ。
 「私が離れていったことを反省して、謝りに来てくれないかな。」


 はぐれゴーストと暮らすようになりしばらくたった朝。
 私の前に懐かしい二人が現れた。
 「もう、心配したんだよ!」
 心にため込んだ劣等感が噴出し、抑えることができない。
 「それよりも先に言うことがあるんじゃない?」
 ああ、私はいつも失敗する。
 「どうしちゃったの?」
 二人はいつもそうだ。
 そうやってまた私が一人だと何もできないという事実を突きつけてくる。
 「私の気持ちなんてわからないクセに!」
 「どうせ私のこと、自分たちの引き立てるためのアクセサリーだと思ってるんでしょ!?」
 「じゃあなんで二人は私に内緒で会ってたの!?」
 「二人っきりになってなにもできない私のことを馬鹿にしてなんでしょ!?」


 「違うよ!私たちを信じて!」
 「本当に?じゃあ、目をつぶって、私に証明して見せて。」
 本当は大切にしたかったのに。
 ああ、私は本当に馬鹿だ。

 2節で、音楽隊のボーネット[楽器]をゲット!


 4節で、音楽隊のキルト[打撃]をゲット!


 10節で、音楽隊のグローブ[打撃]をゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 欺キノ傀儡ガチャで、SSの友愛の弓、Sの蘇生の禁書、清狂の悪魔、受け継ぐ双斧、Aの見習いの杖、自警団の誇り、必中の弩、盲信者の怨念、殺傷器具、人形使いの魔法をゲット!


 SS1点確定ガチャ:睡眠編で、SSの命乞イノ極意、Sの狂熱の提琴、氷柱鎌、Aの世界樹に関する考察、必要悪の剣X2、妖銃黒白、八裂きの槍、妖精の歌、異国の書をゲット!


 SS1点確定ガチャ:生放送編で、SSの虚妄の大鎚、Sの作曲家の一生、邪気の呪歌、ノバラの琴、F8魔導小銃、Aの異世界鉱物記、狂裁者の杖、賢者の杖、亡国の古銃、白紙の魔書をゲット!


 10節をクリアして、調査員エッセをゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 俺とフィアは、王都から離れた小さな農村で、いつも一緒だった。
 いずれは二人でこの小さな村を救うのだと思っていた。
 だが、自分とフィアの間にある大きな差に気付いてしまった。
 「国に巣食う全ての貧困をなくしたい。その過程でこの村も豊かになる。」
 フィアの夢を聞くまで、この狭い場所でさえも、一番になれない自分のことを恥じていた。
 アイツが俺の前にいるうちは一番になれない。そう感覚で悟った瞬間だった。
 いつも俺の前を歩いていた。
 いつもアイツの周りには人が集まっていた。
 誰もがアイツを好きだった。俺自身も・・・
 でも、もう追いかける事すら難しくなってしまった。
 もう、疲れてしまった・・・
 そんなアイツと久しぶりに再会したとき、珍しくフィアは俺に頼み事をしてきた。
 かつて共に平和な世界を望んだ親友の頼み事とあれば承諾しないわけにはいかなかった。
 「俺にもしものことがあったら、その時はお前に任せた」
 それがアイツと交わす最後の言葉となった・・・


 結局俺はアイツを裏切った。
 アイツが民を守るために立てた計画を教団に売ってしまった。
 でも、ようやくアイツの上に行くことができた。


 称号:四百階層突破をゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 狂炎ノ調べガチャで、SSの神風の杖、Sの覇者の剣、Aの自警団の誇り、強欲の魔笛、愛憎の槍、権力の王笏、妖銃黒白、夢幻の魔書、愛緑者の聖槍、異世界鉱物記をゲット!


 錬鉄ノ矢雨ガチャで、Sの書架の巻物X2、作曲家の一生、Aの偽善者の施し、誓約の短剣、強欲の魔笛、楽師と妖精、忘却の本意、異国の書、滅鬼の鉄槌をゲット!


 ギルドボックスガチャで、獣の脂Lv1、植物の粘液Lv2、蛇の生き血Lv3、竜の生き血Lv4、強化の石板(Ⅱ)、強化の石板(Ⅲ)、強化の石板(Ⅴ)、強化の剣(Ⅲ)、強化の剣(Ⅳ)、強化の剣(Ⅴ)、金のズタ袋をゲット。


 魔封ノ試練で、黒石のブーツ【魔具】をゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 SS1点確定ガチャ:被虐偏で、SSの探求の注射器、Sの水脈の剣、Aの盲信者の怨念、偽善者の施し、滅鬼の鉄槌、悪女の悲劇、見習いの杖、夢幻の魔書、賢者の杖、白雷の杖をゲット!


 SS1点確定ガチャ:虚妄編で、SSの虚妄の大槌をゲットして、グレーテル/クラッシャーを解放!Sの叡智の宝玉、Aの幸福の提琴、妖銃黒白、八裂きの槍、白雷の杖、亡国の古銃、人形使いの魔法、異国の書、白紙の魔書をゲット!


 SS1点確定ガチャ:束縛編で、SSの卑劣の喇叭、Sの被虐の杖、黄金の弓、Aの邂逅の逡巡X2、愛緑者の聖槍、偽善者の施し、占い水晶、夢幻の魔書、竜化の鎌をゲット!


 自分が獣と違う存在だと理解したのは、いつからだろうか。
 ワタシと同じ場所で暮らす獣たちは喋らず、洞窟の性格は退屈で単調。
 その心の隙間を埋めるなにかを求めて放浪し、ワタシは見つけた。
 いつも仲間と笑い合い暮らすニンゲンという生きものに。
 彼らは牙も爪もない。
 弱い生き物。
 でも彼らは言葉を、知恵を持つ、興味深い生きものだった。
 あのニンゲンの輪に入りたい。
 そう思うようになってから、ワタシは彼らを観察し続けた。


 ニンゲンは獣を狩ると喜ぶ。
 木の実や果実、鉱石を採って喜ぶ。
 そしてニンゲンは喜ぶと笑う。
 見ていると暖かくなる、そんな顔。
 そのかを見たくて、獣を狩り、鉱石を集めて運んだ。
 だがニンゲンはワタシをバケモノと呼び、殺そうとした。
 やはり人間は父から聞いた通り見た目ですべてを判断するのか。
 そう気づいた私はニンゲンに近づくのをやめた。


 ワタシは寂しかった。
 気が付けばいつも、ニンゲンのことを眺めていた。
 ニンゲンは私の憧れだった。
 そしてあるときふらふらと歩くニンゲンと出会った。
 彼女がつまづき、倒れたときに、思わず姿を表し、助けてしまった。
 でも彼女は醜いと叫ばなかった。
 それどころか小さく笑ってありがとうとほほ笑んだ。


 それからワタシは毎日、彼女に会いに行った。
 だがワタシはニンゲンの言葉はわかるが、話すには苦手だ。
 だから彼女の名前がうまく言えない。
 だが、彼女はワタシの拙い口調にも注意深く耳を傾け、いつも微笑んでいた。
 でもなぜバケモノと言われたワタシの近くにいられるのだろう。
 答えは単純だった。
 彼女は目が見えていなかった。


 それからワタシたちは二人の時間を重ねた。
 彼女もきったワタシの本当の姿を知れば、ワタシを恐れ、離れていってしまうだろう。
 だからこれ以上、彼女がワタシにとって大切な存在になる前に、自分の姿が、ひどく醜く恐ろしいことを打ち明けた。
 「でも、あなたはいいヒトです」
 その一言で、自分もニンゲンに偏見を抱いていたのだと気付いた。
 彼女は見た目ではなく、ワタシの心を知り、判断してくれたのだ。
 その時きっとワタシは笑えていたと思う。
 ニンゲンと同じむき出しの笑顔で。


 それから彼女とワタシの距離は急速に近くなった。
 彼女はワタシにこんな日常を人間はなんと叫ぶかを教えてくれた。
 その言葉はワタシの一番好きな言葉になった。
 そしてある日の星がきれいな夜。
 二人が出会った場所で彼女は言った。
 「これからもずっと一緒にいたい」
 ワタシはまだ、自分がバケモノであることを伝えてはいない。
 今はもう、彼女を失うことはできない。
 だから真実を打ち明けることはできない。


 日に日に真実を打ち明けることは難しくなっていった。
 嘘を肯定しようとする姿はきっと容姿より醜いことだろう。
 その事実は彼女の隣にいるべき存在でなりことを如実に物語っていた。
 その時、柔らかな風が吹いた。
 ワタシはあの日まで彼女に偏見を抱いていたことを思い出した。
 それからはもう、何も怖くなかった。


 嬉しくても涙が出るのを初めて知った。
 ワタシたちの気持ちは同じだったのだ。
 ひとしきり喜びを分かち合うと、彼女は一つだけ条件を出した。
 「これから一緒に暮らすのなら、村の人たちにも認めてもらいたいの」
 信じることを大切さを学んだわたしはすぐにうなづいた。
 「まずは私が話してくるね」
 と村に向かう彼女を送り出すと、ワタシは一緒に暮らす家をつくり始めた。
 どこまでも幸せな時間だった。


 村から戻った彼女はすぐにワタシを村に案内することにしたようだ。
 村への道中、彼女は緊張し始めたのか、口数は少なかった。
 視界の先に村が見え始める。
 武装したニンゲンは、ワタシを警戒し、武器を構える。
 でも大丈夫。彼女がいる。
 彼女はゆっくりとワタシの側を離れ、兵士の元へと向かっていった。


 「あの化物を八つ裂きにして!」
 彼女はいったい何を考えている?
 さまざまな感情が、ワタシの心を食い荒らす。
 兵士たちは武器を突き立てるが、身体の痛みは感じなかった。
 ただ・・・ただ、ひたすらに心が痛い。


 それから後のことは覚えていない。
 気付けば深い洞窟の中にいた。
 彼女の嘘はどこからだろうか。
 彼女の言葉に、真実はあったのだろうか。
 答えは出ない・・・
 ・・・考えるだけ無駄。
 でも、いつまでも思考が止まらない。
 知性などなければよかった。
 ニンゲンの言葉など理解できなければよかった。
 彼女と出会わなければよかった。
 でもやっぱり、彼女は・・・
 ニンゲンになることはできない。
 でも彼女の気持ちを理解するためには彼女の過ごした世界を知るしかない。
 だからワタシじゃ、自らの光を奪い、彼女のいた黒い世界へと歩き出すことにした・・・


 6節で、砂岩のドレス[祈祷] A、砂岩のグローブ[祈祷] A、砂岩の髪飾り[刀剣] A、砂岩のドレス[刀剣]をゲット!


 9節で、ケートス S砂岩の髪飾り[長柄] A、砂岩のグローブ[楽器]をゲット!


 10節で、砂岩の髪飾り[祈祷]をゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 1節で、クリスタルウィスプ SSをゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


  8節で全滅した・・・

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 私は昔、君に助けてもらった。
 だから今も僕にとって特別な存在だ。


 決して恵まれていないはずなのに君はいつも笑顔だった。


 「皆、子供のまま死んじゃった。
 だから僕は大人になるまで生きてみたい。」


 夢を叶えてあげたくて、食べ物をあげた。
 でも、毎日あげることはできない。


 一人でも生きられるように狩りを教えた。
 でも、殺したくないらしい。


 仲直りがしたくて手品を見せた。
 君は笑ってくれた。


 彼はどんどん衰弱している。
 最近ここには食べられるものが運ばれなくなったらしい。


 ちゃんと食べ物を自分で見つけなきゃ。
 でも、彼は嫌だの一点張り。


 彼は明日にでも死んでしまうだろう。
 せめては最後にもっておきの手品を見せてあげたい。


 「大人になるってこういう事だったんだね。」
 最後の手品は、私たちに永遠の別れと暖かな気持ちをもたらした。

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 紫煙の道化師ガチャで、Sの騎士団の提琴、瞳の刀、Aの誓約の短剣、賢者の杖、妖銃黒白、権力の王笏、盲信者の怨念、異国の書、無銘、滅鬼の鉄槌をゲット!


 足の踏み場もない、すえた匂いのする汚れた部屋。
 けれどそこは、部屋の主にとって天国であり、安らぎの場であり、唯一の逃げ場だった。
 そう、今までは。


 かわいい姿でファンタジーな化物と戦う。
 ありがちな設定。
 星マイナス1。


 UIが見づらい。
 初見殺し。
 星マイナス2。


 バトルは戦略性に欠けるなぁ。
 星マイナス3。


 シナリオ、なにコレ?
 ポエムかよ。寒い。
 星マイナス4。


 かわいいキャラばっかり。
 飽きた。
 星マイナス1。


 ガチャの排出率、狂ってない?
 爆死続きなんだけど!?
 星マイナス1。


 はいはいクソゲー。
 リセマラも飽きた。
 しゅーりょー。


 ・・・てか、このゲームさっさと終わらないかな?


 自分によく似たアバターの顔を水面に映す。
 青白い肌、澄んだ瞳。
 唯一違うのは、肩口で切りそろえられた髪型だけ。
 兄様、とどこからか声が聞こえた。


 目を覚ますと暗い天井が目に入った。
 「最後に見た夢がアレか」
 「そういえば、妹キャラもいたな」
 数ある人格の内の一つを思い出すと、かさついた唇から虚ろな笑い声が漏れ出た。
 暗い部屋の中、青白い光に照らされて、太いロープが揺れていた。


 1節で、リアルゴーレム(風) Aをゲット!
 8節で、女生徒の腕時計[長柄] Bをゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 2月ピックアップガチャで、Sの被虐の杖、Aの運気の天秤、相思の双刀、妖精の歌、白雷の杖、愛憎の槍、愛緑者の聖槍、人形使いの魔法、占い水晶X2をゲット!


 深淵ノ孤独ガチャで、Sの縁断ツ鋏、Aの悪魔の杖、坑道の宝箱、神託騎士の斧、必中の弩、無銘、生贄の抱く大剣、乙女の純真、人形使いの魔法、割実の提琴をゲット!


 破戒ノ聖典ガチャで、SSの正義の書をゲットして、スノウホワイト/ソーサラーを解放!Sの藁草ノ人形、Aの愛緑者の聖槍、坑道の宝箱、八裂きの槍、悪女の悲劇、殺傷器具、滅鬼の鉄槌、強欲の魔笛X2をゲット!


 ギルドボックスガチャで、強化の石板(Ⅱ)、強化の石板(Ⅲ)、強化の石板(Ⅴ)、獣の脂Lv1、植物の粘液Lv2、蛇の生き血Lv3、強化の剣(Ⅲ)、強化の剣(Ⅳ)、強化の剣(Ⅴ)、黒鉄メダル、黒鉄の仕込杖をゲット。


 虚無ノ送火ガチャで、Sの氷滝の宝杖、復讐の薙刀、鋼鉄の宵星、Aの乙女の純真、悪魔の杖、狂裁者の杖、修羅の大槌、災いの弓、滅鬼の鉄槌、邂逅の逡巡をゲット。


 19万の後衛・前衛2人ずつフレンドを雇って鬼門の340Fを突破!


 倫理に反する実験を進める教団に異を唱える者もいた。
 王国騎士団の団長を務めるフィアという男で、清廉な騎士だった。
 彼は信頼のおける部下と友人にのみ手にした情報を共有すると、二つの対抗勢力を結成した。
 一つは教団に扮し、内部から瓦解を目指す勢力。
 一方は監獄の動乱に乗じ、外部から監獄を攻める勢力であった。


 称号:三百五十階層突破をゲット!


 監獄内部への侵入を果たしたフィアは、その手腕により瞬く間に四天王最強の座へと昇りつめた。
 最後のピースとなる監獄へ足を踏み入れる者が現れた。
 フィアは彼らを仲間に引き入れるため上層を目指した。

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 ふらふらと、制服姿のOLがあてどなく街中を歩いていた。
 同じころ、殺し屋の少女は裏路地を必死に走っていた。
 これは、3日前のお話。


 私は悪くない。
 あれはただの事故。不幸な出来事。


 困りました。
 この前殺したおじさんは、ヤバイ筋の偉い人だったみたい。
 仲間がすごく怒ってる。


 殺そうなんて、思ってなかった。
 あんなに簡単に死んだ、あの人が悪い。


 仇を討てと、チンピラ共が追ってくる。
 あいつらはいつもそうだ。親とか杯とか。
 バカみたい。


 奥さんがいるのに、言い寄ってきたあの人が悪い。
 可哀想なのは私。同情されるべきなのは私。


 仲間が殺されたら悲しい?
 -ボクは、いつも1人だからわからない。


 相手が死んだ私は可哀想-
 ああ、なんてステキなの・・・


 狩る立場から狩られる立場に。
 これはこれで楽しいね?
 さあ、おじさんたち、遊びましょう!


 裏路地に追い詰められた殺し屋の少女。
 命を奪いながら少女は笑う。
 「さあ、遊ぼう?」
 OLは乱れた制服のままふらふらと歩いて路地裏へと迷い込む。
 「可哀想な私・・・もっと見て・・・」
 夢遊病のように泳ぐOLと、ナイフを持った少女に視線が交差した。


 路地裏の凶行は、ものの数分で終わった。殺し屋の少女の周りにはチンピラヤクザの死体が重なっている。
 けれど、少女も血まみれで。
 殴られて腫れあがった白い頬。
 苦し気に体を折り曲げて血の混じった痰を吐く。
 そんな、ぼろ雑巾のような少女を見て。
 「私の方が可哀想・・・」
 女性は、その場から、ふらりと立ち去った。

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 一方、そのころのライブラリでは、くるみ割り人形がぶつくさとつぶやいておりました。
 「アリス?珍妙な名前をしよって。
あっちはヘンゼングレーテル?男か女かはっきりせんかい!XXはついておるのか?ん!」
 健気に戦う2人の若者に、くるみ割り人形は一歩的に、とても身勝手な文句をつけ始めました。


 ふむ、あのアリスとやらは「束縛」されておるのか・・・
 自らを縛るなど、退屈なことよ。


 ヘンゼルグレーテルとやらは、「虚妄」に捕らわれておるのか。
 周りが見えておらぬとは、はなはだ迷惑であるのう・・・


 好いた者のために自らの手を汚すとは、アリスとはろまんちっくであるな。
 しかし、身勝手な暴力はいかんぞ。


 口を開けば兄様兄様。
 ほかに言うことはないのかのう。
 これだから最近の若い者は!


 アリスとやらは、ナイトメアを倒すことに心を痛めておるのか。
 なかなか優しい少女であるな。
 化物なと皆殺しにしていいものを。


 兄様兄様・・・
 今までの計85回mp呟いておる。
 まったく、よう飽きもせずに・・・


 アリスとやらは思い詰めておる。
 他人の言葉に耳を傾けるべきである。
 そう、このワガハイのように。


 一つの身体に複数の人格。
 これがヘンゼルとグレーテル。
 用を足すときに困らんかのう・・・


 くるみ割り人形は、アリスとヘンゼルグレーテルと注意深く観察しました。
 「まずはワガハイという、素晴らしき先達がいることを知らしめるべき!」
 その通り、悲しいかな、彼の存在はまだほかの登場人物に知られていなかったのです・・・


 くるみ割り人形がどんなに戦っても、アリスもヘンゼルグレーテルも気付きません。
 「むう、遅れてきた上に、少年少女に混じって老人キャラ。なるほどこれは不利である。
この特性を生かして、ワガハイは戦いを有利に進めるのである。」
 さすが亀の甲より年の功!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 SS1点確定ガチャ:暴力編で、SSの劣等の写し鏡ファラ、Sの淑女の竪琴、被虐の杖、偏執者の斧、Aの災いの弓、殺傷器具、偽善者の施し、竜化の鎌、坑道の宝箱、自警団の誇りをゲット!


 SS1点確定ガチャ:虚妄編で、SSの黄金の剣、Sの偏執者の斧、騙欺の薙刀、無の教え、Aの見習いの杖、邂逅の逡巡、妖銃黒白、相思の双刀、妖精の歌、人形使いの魔法をゲット!


 SS1点ガチャ:卑劣偏で、SSの暗殺草稿、Sの絶対零度、永劫の車輪、Aの災いの弓、運気の天秤、妖銃黒白、妖精の歌、必中の弩、人形使いの魔法、白紙の魔書をゲット!


 クリスマスの夜のプレゼント。
 ドロッセルマイヤーおじさんがプレゼントしてくれたのは、老人のようなくるみ割り人形でした。


 1節クリアして、くるみ割り人形/ブレイカーを解放!


 そのころ、ライブラリでは一人の老人がぶつぶつとつぶやいておりました。
 だぁれもいない空間で、ぶつくさぶつくさ垂れ流す。
 こういう困った老人を、世間では何というのでしょうか?


 ワガハイはくるみ割り人形。
 硬いクルミを割るが如く、敵の頭もガツンガツン!


 鼠の王など怖くはない。
 愛し麗しの姫のため、今日も今日とて戦い暮れる。


 ワガハイを助けてくれるのですかな?
 お礼にどこに案内するんじゃったかのう・・・?


 ワガハイは鼠の王と戦いて、無垢な少女の愛を得て・・・あー、それで、あー・・・なんじゃったっけ?


 どにかく、ワガハイの物語は素晴らしい!
 だから、ばれぇといった高尚な芸術に使われるのである。
 ばれぇの内容?知らん。


 なのに最近の若者たちは、無駄に物語をこねくり回す。


 引き伸ばしのための無駄な展開。
 テコ入れのための登場人物の死。
 回収しきれぬ伏線。
 最後はとりあえず爆発。


 挙句の果てに、登場人物までもが物語の書き換えを望むなど。
 ああ、嘆かわしい、嘆かわしい・・・


 そのころのアリブラリでは、相変わらずくるみ割り人形がぶつくさと文句を垂れておりました。
 そんな奇妙な老人に惹かれたのか、ナイトメアたちが寄ってきます。
 「ワガハイの話を聴きに来たのか?
 大体貴様らは・・・」
 突然始まったお説教にナイトメアたちも困惑顔。
 そう老人は、文句を言えるなら、相手は誰でも良いのです。


 老人の退屈な話に暴れるナイトメア。
 その頭をカツカツガツン!
 「ワガハイの話は、頭を割られても聞くべき・・・」
 老人は、誰彼かわまず文句をぶつけます。
 それを見てギシンとアンキは笑いました。
 「こういうノ、何テ言うか知ってマス?」
 「せーノ」
 「老害!」

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 暗室ノ研究者ガチャで、Sの獅子殺しの鉄槌、黒竜ノ巻物、Aの悪魔の杖、異国の書、農民の弓、愛憎の槍、悪女の悲劇、狂裁者の杖、白紙の魔書、幸福の提琴をゲット!


 卑劣ノ銃槍ガチャで、Sの暴力の戦輪、Aの割実の提琴、混沌たる欲望、生贄の抱く大剣、八裂きの槍、夢幻の魔書、世界樹に関する考察、神託騎士の斧、誓約の短剣、運気の天秤をゲット!


 巨兵ノ洗礼は3節で全滅・・・

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 ・Eale大学哲学部哲学科卒業
 ・Hardard大学院哲学科博士課程修了
 ・数々の国家警察は特殊部隊に所属。近年では外人部隊の訓練にあたる
 ・シュゼンツ軍隊式格闘術開祖
 ・その手腕から各国著名人のボディーガードを務める
 ・国際安全保全組織教官連盟に№.009として登録
 ・昨年日本に帰国し、極秘裏に国防アドバイザーに着任
 ・財界との関係も深く、欧州訪問の際にはよく頼られる
 ・芸術にも明るく、動画投稿サイトで活躍

 16歳
 N高校に入学。
 喧嘩に明け暮れる。
 その強さと普段の温厚な性格から裏番長という二つ名で、広く知られるようになる。
 また、学力も高くT大学精神神経科総合院長であるK先生らに精神医学の手ほどきを受ける。

 18歳
 某国特殊武装団体にトップの成績で入隊。
 飛び級で訓練課程を修了し、実働部隊に入隊。
 すぐさま隊長に任命される。

 19~24歳
 国際テロ組織と本格的な交戦を繰り返す。
 S国での人身売買組織と交戦し、900人の武装集団にたった一人で挑み、9名の人質の解放に成功した逸話はあまりにも有名。

 25~現在
 守るための戦いを極めたその姿から伝説の傭兵として広く裏社会で知れ渡るようになる。
 本人は嫌っているが死神を冠する№.009(ツーオーナイン)のコードネームで呼ばれる。


 これは、10年前の出来事。
 気付けば、屈強な小隊の面々は俺の速度についてこれなかったようだ。
 組織でも異彩を放つ力を持つ俺にとっては他者を置いてけぼりにすることは日常茶飯事だった。
 百人の傭兵と組手をした時も、10分後には俺以外の全てを地べたに転がしていた。
 俺にとって凶悪な武装集団だろうと、水のない状態で砂漠を踏破することも造作ない。
 だから、今回の任務も簡単に終わる-はずだった。
 俺がヤツラのアジトに到着すると、そこには小隊の面々が人質として縄に括り付けられていた。
 これが罠であることは分かり切っていた。
 だが、人を守るために生まれてきた俺は彼らを見捨てることができなかった。
 戦場で我を失う者を仕留めることなど、赤子の手をひねるより容易い。
 俺は次々と肉塊へと変えていった。
 それからしばらくすると、たった一人で俺に挑む者が現れた。
 「お前がこの組織の首謀者だな?」
 その刹那、俺は返答を待たず戦闘態勢へと移行した-
 組織を壊滅させ、人質を解放した俺はその足で次の戦地へと旅立った。


 じっとりとした脂汗と共に目を覚ます。
 「また、あの夢か」
 まだぼんやりと頭に浮かぶはあの日の荒れたジャフガンの戦場だった。
 「どうも戦場にいた頃の癖が抜けない」
 この国へ帰国し、もう数年が過ぎた。
 始めは平和そうに見えたこの国にも、あの組織の手が伸びている。
 マスコミによる印象操作は、国民の感情を静かに蝕み、いつしか国民は自らの頭で考えることを放棄するようになっていた。
 「組織が動き始める日は近い。俺が何とかしなくては。」


 この街をパトロールするようになり、俺の疑いは確信へと変わっていった。
 一見普通の街のように見えて、そこを隠れ蓑にして成長する闇が俺には見える。
 暗闇でも俺はサングラスを外せない。
 一度本気になった俺の眼光の鋭さで、一般人をひどく怯えさせてしまったことがあったからだ。
 普通に握手しても、握力が強すぎて骨を簡単に折ってしまったりもする。
 そんな普通の行為が他者を傷つけてしまう環境で他者とのかかわりが減っていくことは当たり前のことだった。
 そして、この国の平和を守る以外にも解決しなければいけない問題がある。
 それは雑踏に紛れても、消えることがない後悔が生み出した怨念との対峙であった。
 気が付けば、組織の足取りを追っていたはずが、ジャフガンから帰国するきっかえとなったあの日を思い返していた。


 ・・・それは雪の降るクリスマス。
 武将集団が起こした内乱が原因だった。
 某国の国防団体に腰かけていた俺は、緊急出動を要請する警報に飛び起きると、即座に戦地を示す座標へと向かった。
 白い息を吐きだしながら到着したその場所で、俺は思わず息を深く呑み込んだ。
 瓦礫の中から、炭化した遺体たちをひっぱりだし、トラックの荷台に放り込み続けた。
 やけに小さい肉の塊も散乱し、傷ついた少年たちのうめき声が合唱のように響いている。
 しばらくすると群衆の中から、俺を見つけた戦友が駆け寄ってきた。
 いや、這い寄ってきた。
 という方が適切な表現だろう。
 俺は、はみ出した腸を必死に体内に押しとどめようとしながら俺のもとへたどり着くと、乾いた笑い声をあげた。
 無言で握手を交わし、たわいない天気の話をする。
 数秒後には、彼は疲れた体を俺に預けていた。
 それから、どれだけ泣いたのだろう。
 俺は羽織っていた軍服で彼を包み込むと、街外れの墓地を目指した。
 そしてたどり着いた墓地は、死を嘆くものたちで埋め尽くされていた。
 彼の墓を掘っていると、俺のそばで項垂れる遺体に気付き、駆け寄るものがいた。
 その必死の形相ですぐにわかった。
 彼がよく話してくれた恋人に違いない。
 その女は俺から友人をひったくると、泣き崩れた。
 「間に合わなくて申し訳ありません!」
 「目の前にいる者を守るべき立場でありながら、たった一人の隣人ですら、守れなかったです!!」
 気が付けば雪乃降り積もる地面に頭をこすりつけていた。
 俺は、たとえこの小さな国を救うことができたとしても、助けることができなかった者が一人でもいたのなら自分を許すことができないのだ。
 その初めての敗北がきっかけで、俺はオカシクなってしまった。
 そして、その日から俺の前に女の姿をした亡霊が現れるようになった。


 意識は排気ガスで充満する街に戻ってきていた。
 俺を苛むあの日の出来事は、亡霊となり、俺の傍から離れない。
 亡霊はどこにいても、気付けば俺に微笑みかけてくる。
 その亡霊の姿は、俺が嫌いな不細工な女をしているあたり戦友の悪戯心が透けて見える。
 そういえばアイツとはよく女の話をしたな。

 -11年前
 「俺が抱くのは俺に相応しい女だけだ。」
 「欲しけりゃ譲ってやるよ。」
 「俺はお前と違って、その気になれば彼女なんてすぐにできる。」

 本当はわかっている。
 この怨念とうまいこと話さないと戦友を救えなかった呪いは消えないということを。
 傷を癒す方法は分かり切っているのに、俺はどうしても女に話しかけることができない。
 だが、心の中でもう一人の俺が叫ぶ。
 「俺は忘れてはならない!」
 「アイツのかすれた声!この世の未練を叫ぶ、心の慟哭を!!」
 「まだ、あの日の無力な自分を許してやるころができないんだ・・・」
 何度も繰り返した自問自答。
 きっとアイツは不甲斐ない俺を見て笑っているんだろうな。
 この街に巣食う悪を駆逐するうちに、きっと、前に進むことができるはずだ。


 探し続けていた組織の人間を見つけたのだ。
 「悪いな。」そう小さくつぶやくと、縮地で一機に間合いを詰め、電光石火の手刀で首筋を刈り取ろうとした。
 さすがは組織の人間だ。俺の奇襲は簡単に防がれた。
 そして異変に気が付いた悪人は奇声を発し、増援を呼ぶのであった。
 いかに強力な力を持つ俺であろうと、非武装状態で殺すことなく複数人を相手にすることはできない。
 俺は手加減ができるうちに、自らの正体を明かし逃げるチャンスを当たることにした。
 だが、そんな俺の恩情などお構いなしに組織の下っ端は俺の胸倉につかみかかってくるのであった。
 「今、いいまなら・・・みっ見逃してや・・・」
 あれ?おかしいな。なぜか声がどもってしまう。
 幾度も死線を潜り抜けてきたはずなのに脚が震えてしまう。
 組織の者は、そんな俺を指をさし、腹を抱えて笑っている。
 動揺する俺に耳に、挑発するような声が反響する。
 「いつもこの街を徘徊している傭兵の気取りの人って、おじさんでしょ?」
 「頭どうかしてると思って、いつも笑ってたんだけど。」
 「攻撃してきちゃったら、仕方ないよね?正当防衛ってやつ。いっきまーす!」


 どれだけ殴られ続けただろうか?
 本当はわかっている。
 自分はただの一度も人の役に立ったことがない無職だということ。
 その情けない生涯を覆い隠すたけに妄想に浸っていただけなのだと。
 そのすべてを認め、現実を受け入れた俺を嘲笑うかのようにチンピラどもは、要求する。
 「さあ、おじさん。懺悔の時間だ。」
 「認めちゃいなよ!自分は頭の悪いただの凡人だって。」
 「全部おじさんの気持ち悪い妄想だって。」
 「自分の妄想に浸って、粋がってただけだってさー。」
 「それさえ認めちゃえば、何も命まで取りはしないよ?」
 「私はどうしようもない嘘つきで、二酸化炭素を無駄に消費するゴミムシです!ってさー。」
 バットで強く後頭部を殴られる。
 一刻も早くこの状況から解放されたかった。
 もう自分の誇りなど、どうでもいいことだった。
 「わっ私・・・は、どう・・・しようも、ない。・・・嘘つきで。・・・ごみ、む・・・し、です。」
 「全然聞こえないんですけどー!」
 「私は、傭兵、などではなく・・・全部、私の妄想なんです!!!」
 屈辱と嗚咽に塗れながら向き合った、本当の自分はどこまでも無様な姿であった。


 「もう満足でしょう?彼を解放してあげて。」
 目の前に、いつもそばにいた亡霊がいる。
 彼女は俺はかばうように、チンピラたちの目の前に立ちはだかった。
 「なんだよ!この不細工な女は!」
 「あー、真剣シラけるー。」
 私なら即座に土下座をしてしまいそうなほどの威嚇にも関わらず、亡霊は私の傍から離れない。
 亡霊は、チンピラたちから唾を吐きかけながらも笑顔で私の手を強く握り、微笑みかけてきた。
 原因は不明であったが、チンピラたちは私たちを追邸人通りの多い道へと歩きだすのであった。
 それから亡霊は私の血にまみれた額をハンカチで拭い、自販機で購入したであろう真水で傷口を洗ってくれた。
 「なぜ私を助けたのですか?」
 そんな訝しむような態度にも関わらず、女性は優しい声色で語り始めた。
 「ある少女の話をしましょう」


 その少女はいじめられていました。
 原因ははっきりしていました。
 生活の貧しさがにじみ出る衣服に醜悪な見た目。
 でも、どれもが少女にはどうすることもできないことでした。
 生まれたからずっとイジメられてきた少女は理解していました。
 彼女の見た目はとても醜悪で、他者との差分が際立っていました。
 彼女はイジメられ続け、自身を守るために心は歪んでいました。
 当然、屈折した心の持ち主に近寄る者などいません。
 ただただ、陰口を言われ続けました。
 地獄にいるような毎日でした。
 ぬくもりをくれるのは両親だけ。
 ですが、彼女が大部分の時間を過ごす学校という小さな社会には、敵しかいません。
 彼女が死を選択することは、そう難しいことではありませんでした。
 雨と涙に濡れ、ようやくたどりついた暗い路地裏。
 縄をかけ、遺書を入念に読み返します。
 救世主が現れたのは、その時です。
 喋る言葉はドモり、喋っていることは理解できません。
 ですが、止めようとしてくれていることはわかりました。
 自分のために必死になってくれる人が家族以外にもいることは少女にとって、不思議なことでした。
 それと同時に、懸命に自分のことを気遣ってくれる少年に恋をしていることに気が付きました。
 その時、少女は自ら命を絶つことを辞め、その少年に生涯を捧げることを決意しました。
 なぜなら、その少年も彼女と同じように醜悪な見た目をしていたからです。
 すぐに少年もイジメられていると思いました。
 だから、自分が彼を支えてあねがくては、と思い立ったのです。
 それから、少女は彼の姿をひっそりと見守るようになりました。
 理解もできないのに難しそうな本を読むフリをして自尊心を保つ姿。
 いつものコンビニで大人の本を買う勇気が出ない姿。
 そのどれもがいとおしく映りました。
 気付けば二十四時間、三百六十五日、少年のことを見続けるようになってしました。
 そして、今日というキッカケが訪れたのです。


 私は、目の前にいる少女の言葉に捕らわれてしまいました。
 それと同時に、少女の愛する少年の過去を話さなくてはならないと思いました。
 かつて少年は一人ではありませんでした。
 その少年が初めてついた嘘は、たった一つの小さなものでした。
 「芸能人と知り合いである。」
 そんなすぐに嘘とわかる虚言に、少年の友人は「すごい」と言ってくれました。
 何一つ誇ることができない、少年の生涯にとって、始めて他人に羨望されたその瞬間は特別なものでした。
 ですから、その感覚を少年は忘れることができなかったのです。
 その感覚が忘れられない少年は、すぐにまた一つ嘘をつきました。
 そして、その嘘が生む矛盾を消すためまた嘘をつきました。
 嘘が嘘を呼ぶようになり、いつしか少年が話をはじめる度、嘘が増えるようになっていました。
 少年の虚言癖は、年を重ねるうち深刻なものになっていきました。
 いつしか少年を包む嘘は、彼の中で真実として扱われるようになり少年自身には嘘と真実の区別がつかなくなってしまいました。
 当然、周囲に者たちにはおかしなヤツだと思われます。
 そして少年はオモチャのように扱われるようになっていました。
 彼らは、少年に真実を突き付け狼狽する姿を見て遊ぶようになっていました。
 当然少年は真実を認めることはできません。
 だから少年は、自分のついて嘘の根拠を新たな嘘で作り上げるようになりました。
 そうして彼の嘘の歴史は木の根のように複雑に絡まり合い、いつしか制御できる範囲を超えるようになってしまいました。
 少年は精神安定剤の代わりに、嘘をつくようになってました・・・


 でも少年は、ようやく本当の自分と向き合うことができるようになりました。
 それと同時に大切な存在とも巡り合うことができました。
 それが、今日という日です。
 「情けない理由ですが、ようやく自分と向き合えた気がします。
 こんな愚かな私ですが・・・
 まだ私のことを愛してくれますか?」
 「毎日あなたのことを追いかけてしました。
 あなたに出会うことができたから、命をつなぎとどめることができました。
 あなたが私のすべてです。
 今度は私があなたの事を救いたい。
 私たちは一人で生きることでできません。
 あなたみたいな人は、この世界に少なくありません。
 周りから認められたくて自分を大きく見せる嘘をつき、その嘘を守るために、さらに嘘をつく。
 私、ちゃんと本を読んで、あなたの症状を調べました。
 ありのままのあなたを肯定する者がいれば治ると書いてありました。
 そしてあなたが私の話を聞いてくれる機会を待ってました。
 あなたには私がいます。
 今からでも遅くはありません。すべてを認めて新たな人生を私と一緒に歩みませんか?
 救っていただいたこの命、そのすべてを捧げあなたを支え続けることを誓います。」
 「・・・でも俺はまた嘘をつくかもしれない。
 その嘘は、君を傷つけるかもしれない。」
 「はい、わかっています。」
 「あなたを助けたのも、自分の汚い承認欲求のためにやったただの自己満足なんだ。」
 「ええ。知っています。
 でも、あの時の私に必要だったは、間違いなくあなただったんです。」
 「でも・・・」
 「もう、何も言わなくてもいいです。」
 次の言葉を紡ぐことができなかった。
 ・・・唇が塞がれている。
 久しぶりに触れた他者のぬくもりは、凍えていた私の心を容易く溶かした。


 三か月後ー
 現実は厳しいけど、それでも何とか本当の自分と向き合えるようになっている。
 友人も一人だができた。
 嘘をつかなくなったからこそ掴むことができた平穏な日々。
 他者から見たら大したことのない、普通の生活。
 その有難さに気付くことができた俺は、当たり前な日々を精一杯大切にしていこうと思う。
 「なぁ聞いてくれよ!俺の彼女は女優なんだぜ!」

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 暗室ノ研究者ガチャで、Sの狂熱の提琴、逆恨みの縁刃、Aの神託騎士の斧、農民の弓、誓約の短剣、自警団の誇り、幸福の提琴、修羅の大槌、偽善者の施し、混沌たる欲望をゲット!


 -それは3日前のこと。
 研究費用の凍結と学会からの追放の連絡は、ポストに同時に投函された。
 「ま、私のやることを理解できるとはおもいませんしね」
 「論より証拠。今はマシンの完成が最優先!」
 女性は届いた鼻歌交じりで、届いた封書をビリビリと破いた。


 「君ぃ、頭大丈夫?」
 とある教授に言われた言葉が耳に蘇る。
 その日から大学に私の居場所はなくなった。


 研究者が集まるSNSでも、私はスルーされた。


 いまだアインシュタインに囚われた者たちには理解できないでしょうね。


 大学の研究室なんてくだらない。
 有能な人物は潰され、無能な論文書き(ゴーストライター)だけが生き残る。


 私は自分の研究がしたい。
 それを邪魔する人は、サンプルにしちゃえばいい。


 夜中に1人の男を呼んだ。
 マシンに入れて、時を超えてもらった。


 サンプルの中年男性は黒焦げになっちゃった。


 マシンはもう少しで完成する。
 必要なのは実験サンプル。


 眼鏡の女性は街の中を練り歩く。
 「1人がいい」
 「誰とも縁がない人」
 通りがかった路地裏を見て、女性はふと思い出す。
 「ああ・・・数日前に会ったあの娘が良かったな」
 赤い舌がペロリと唇を舐めた。


 剥がしてその数日間。
 街から何人の人間が消えただろう?
 「後は-私自身で確かめるだけ」
 モニターを見つめる女性の目は、爛々と輝いている。何日も寝ていないのに疲労を感じてはいなかった。
 その心は、すでに人としての境界線を越えていたから。


 8節で女生徒のヘッドフォン[祈祷]をゲット!

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 新宿の奥まった場所にあるラブホテル街にボツボツと灯りが目出ち始める時刻。
 男のことを「先生」と呼んでいる少女。
 許されないその関係は、男の言葉によって終わりを迎えようとしていた。
 少女は「先生」に泣きすがる。
 行為が終わってから別れを告げる男の卑怯さと、お腹の中にできてしまった子供のことを。


 先生は子供を疎ましく思ったんだろうか?
 子供?それは私の事?
 それとも、この、お腹の中にいる子の事?


 措置上野男性に支配されるのは好き。
 いつでも女子の方が、若くて弱くて悲しい。
 そうあるべきだと思わない?


 先生は優しい人だった。いつでも笑顔で私の悩みを聞いてくれるから。
 先生はズルイ人だった。いつでも笑顔で私の弱みにつけこんでくるから。


 私より若い男は嫌い。
 まるで私が歳を取ったようかのように感じるから。


 お腹の中の子供を堕ろす気にはなれない。
 お腹の中の子供を産む気にはなれない。
 2つの矛盾した問いの間をグルグルと回り続けている。


 男はバカだから弱い女に群がる。
 弱い女であることは、生きる術かもしれない。
 だからあの人がいないとダメ・・・


 あの人は卑怯だ。


 今、上司がベッドの上にいる。
 私は床の上に座って、○×している。
 これは悲劇。
 悲しい悲しい、悲劇の物語。


 女子高生が薄暗い不倫の話をしている。
 その後ろに立っているラブホテルの6階。
 広いスイートルームの中では、OLが途方に暮れていた。
 ベッドの上に上司だった男が倒れている。
 恋人と言うにはやや年上すぎる男の首にはクッキリと湿られた跡が残っている。
 私は悪くない。私は被害者だ。
 特殊な性癖を持つ彼のために首を締めただけなのだから。


 都会の片隅にあるヨクボウの街で、二人の女が泥のような運命に囚われていた。
 不倫教師に捨てられた女子高生は、それでも教師の事が好きだった。
 彼女にとっては教師が世界の全てだったから。
 ただ言われるままに性的プレイで首を締め上司を殺してしまったOL。
 悲劇のヒロインとなった彼女は、戸惑いの中で興奮する自分の本性に気付いていた。
 彼女たちに訪れる運命の日まで、あと7日。

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 ギルドボックスガチャで、獣の脂Lv1、強化の石板(Ⅲ)、強化の剣(Ⅳ)をゲット。


 刀に引きずられるような争いはごめんだ。
 早々にその場を離脱し、手にした刀を投げ捨てる。
 「待って!捨てないで!ごめんなさい!捨てないでぇ!」
 「・・・ああ、アンタ捨てられるのが怖いんだ?」
 無機質の刀身がぴくりと震える。
 こういう素直な反応は好きだ。
 「いいよ。少し話そうか」
 できるだけやさしい声で私は話す。・・・後でズタズタにするために。


 源義経の愛人、白拍子の静御前。
 義経が兄である頼朝の追われて都落ちする際に同行するも、吉野山にて別離を言い渡される。
 その後捕まり、頼朝の前で義経を想いながら舞った話は有名だ。

 捨てられた恐怖を隠すように、愛しき人への想いを刀は謡う。
 その哀切に満ちた歌に、シンデレラは「馬鹿じゃないの」と小さくつぶやいた。


 1節クリアして、進化ノ巻物(シンデレラ)をゲット。


 「ごめんね?あの二人仲が悪くって。ほら、正妻と愛人ってやつ」
 「・・・軽薄ね」
 「鎌倉時代じゃ当たり前でしょ。義経様はどっちも平等に愛してたよ。
 だから一人は残して、一人は道連れにしたんだ。」
 それは平等と言えるの?
 それより愛は平等なの?


 薄緑は名前の由来を口ずさむ。
 「私は、この名前さえあればいい。膝丸だの蜘蛛切りだの吠丸だの、勇ましい名前もいただいたけど、穏やかな風景の名をくださったのは義経様だけだった。」
 自分とは違う愛の形に、アリスは首を左右に振った。


 2節クリアして、進化ノ巻物(アリス)をゲット。


 今剣は品よく溜息をつく。
 「白拍子って嫌ね。私の主様とは生まれも育ちも違うのに、無駄張り合おうとするのだもの。」
 「しらびょうし?」
 「男に芸を売って生きる仕事です。
 まあ、体も売るのですけど。」
 「買ったら遊べるの?」
 「遊べますわ」
 「じゃあ、ボクも買おうかな」
 遊ぶことの意味を違えたままに、一人と一振りは微笑んだ。


 「義経公が自刃する際に使われた刀。それが私です。
 捨てられた無銘は話にならず。義経様の愛刀だった薄緑も選ばれず。
 その最期を看取ったのは私なのです!」
 「自刃って自殺?」
 「そうですね」
 「自分で自分を斬るんだ。ちょっと楽しそうです」
 「あなたが自刃する際はぜひ私をお使いください」
 「うん、ありがとう!」
 赤ずきんは幸せそうに笑った。


 「愛されていたのは私の主よ。だから、義経様は敢えて残したの。」
 優しく頷きながら、違うよ、と心の中で嘲笑う。


 「どんなに凄い由来を持っていても、好きな人を守れないのは少しつらいね」
 自分は途中で奉納されちゃったから、と笑う声は、とても切なかった。


 「三振りの中で最も愛されたのは私。
 郷御前の心も満たされたことでしょう」
 愛されると満たされる?
 何が?わからない。


 刀は私を信頼している。
 竈に火を入れる瞬間が待ち遠しい。


 刀たちの想い。それを終わらせないと私は前に進めない。
 私は、私のモノガタリを。


 刀さんとのお喋りは楽しいけれど、やっぱり・・・
 飽きました。


 示し合わせたように、振袖の三人と三振りの刀は再会した。
 三者三様、一触即発。
 そこに現れたナイトメアは果たして何を意味するのか。


 「年ノ瀬に払われるべき煩悩」
 「ソレが刀たちの未練と相まッテ、コノ世界と敵を生み出したわけデス」
 三者三様、一側触発。
 いつの間にか馴染んだ振袖を翻しながら、アリスたちは崩れ行く世界から去っていった。


 ・・・そう、煩悩も未練も祓われた。
 けれど、目覚めてしまった。
 斬る喜びに。戦う意思に。
 「ナラバ、好きなダケ血を吸えばイイ」
 「義経公も本望でショウ」
 ・・・ああ、そうだった。
 崩れ行く世界に赤い飛沫が飛ぶ。
 無抵抗なナイトメアの血で濡れた刀身は、それはそれは美しかった。


 4節で、鍵ノ巻物-(ろ)-参をゲット。


 ・シンデレラが持っているのが、義経の愛人、静御前の刀の無銘。愛されているから遺された、と誇りにしてるが、義経に道連れにされなかったことがコンプレックスにもなっている。名前がない(無銘)こともコンプレックス。
 ・アリスが持っているのが、義経の刀の薄緑。源氏代々に伝わる刀で、主によって名前が変えられた。由緒あることが誇り。奉納されて主と共にいられなかったことがコンプレックス。
 ・赤ずきんが持っているのが、義経の正妻、郷御前の刀の今剣。義経自刃に使われた。義経と最期までいられたことが誇り。他二振りより知名度が低いことがコンプレックス。

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 ギルドボックスガチャで、強化の石板(Ⅱ)、強化の石板(Ⅲ)、強化の石板(Ⅳ)、強化の石板(Ⅴ)、強化の剣(Ⅲ)、獣の油Lv1、植物の粘液Lv2、蛇の生き血Lv3、黒鉄メダルをゲット。


 クリスマスメダルで、アリス/ソーサラーのアルカナと交換。


 称号:三百十階層突破をゲット!


 邪悪な教団の狙いは、教祖の復活で、その実験段階として、国王の娘を復活させることにした。
 だが実験は失敗だった。
 人ともナイトメアともつかない存在に変質してしまった。
 抜け殻のような肉塊に魂が宿ることはなかった。


 340Fのジズが倒せない・・・

 今日のSINoALICE(シノアリス)はどうかな?


 刀乱舞ノ儀ガチャで、SSの????をゲットして、赤ずきん/和装解放!SSの???、Sの暴力の戦輪、Aの悪魔の杖、世界樹に関する考察、相思の双刀、白紙の魔書X2、愛憎の槍X2をゲット。


 人形たちに無理やりにきせられた着物。
 「綺麗だなぁ。かわいいよ!」
 どこからか聞こえてきた言葉に、私はあたりを見回す。
 すると、手にした刀から声が上がっていた。
 「ここだって!まあ付喪神とでも思ってよ。それよりも君、かわいいねぇ。どう?これからお茶でも-」
 私は刀をそっと捨てた。


 奇妙な恰好をしたナイトメアを倒すたびに刀が満足げな声を上げる。
 「懐かしいな。私は妖怪を倒したこともあるんだ。」
 「ギシンとアンキは、あなたは時代劇に登場する刀だと言っていたけれど」
 「主の物語は合戦ものだったけど。それより思い出すにはもう少しね?」
 お菓子をねだるように命をねだる刀。
 その無邪気さから私は目を逸らした。


 1節で、鍵ノ巻物-(い)-壱をゲット。


 「もう、この服・・・遊びにくいです」
 ハサミでじょきじょき。
 オオカミさんのお腹のように。
 「お待ちなさい。淑女たるもの、そのようなことをしてはいけません」
 「誰?」
 「あなたに与えられた刀です。」
 お話する不思議な武器。
 ボクはそれを思い切りたたきつけた。


 「どう?思い出した?」
 「主様は淑やかな女性で・・・とても旦那様を好いてらっしゃった・・・」
 「ボクもおばあさんが好き!」
 「本当に思い出せたのはこれだけ。記憶を取り戻すには、もっと-」
 「うん、もっところそう!」
 お話相手がいるって楽しいな!


 人形どもに無理やりに着物を着せられて、訳のわからない刀を押し付けられた。
 「喋る刀とやらは何がしたい?」
 「私はね。主が命を懸けて愛した人を思い出したいの。そのためならなんだってするわ。」
 愛する者の為ならと声を張り上げる刀に、あの束縛だらけの娘を思い出した。
 「・・・面白い。いいよ、協力しよう」


 血に濡れた刀が泣いている。
 「他人を犠牲にしようとする奴ほど、自分が汚されるのを恐れるんだよね」
 「う・・・」
 詰まる言葉が気持ちいい。
 もっと、もっと傷つけばいい。
 「で?何か思い出した?」
 「・・・私の主には愛した人がいたわ。でも、常に二番目だった・・・」
 怯える声の中に憎悪がにじむ。
 それがたまらなく愉快だった。


 3節で、鍵ノ巻物-(い)-肆をゲット。


 刀は言う。
 「このモノガタリの主がつけた名は、とても風流だった気がするなぁ」


 刀さんとおしゃべりする。
 「私の主は旦那様と共に逃げました。でも確か・・・最期は旦那様の手で・・・主も主の娘も・・・」


 刀はめそめそと嘆く。
 「私の主は、途中で愛する人とはぐれてしまったの。その後は護衛にも裏切られて山の中を逃げて・・・」


 6節で、鍵ノ巻物-(は)-肆をゲット。


 「私も主も悪気はないんだ。ただ愛が多いだけさ。」
 私の愛は1つでいい。


 「主の旦那様は数奇な運命の御方でした。ご兄弟との確執は、後の世の物語として多く語り継がれております」
 それより遊ぼう?


 「私の主は愛する人と別れて敵に捕らわれ、強引に踊らされて・・・子供も・・・」
 そんなのよくある話だろ?


 9節で、鍵ノ巻物-(ろ)-伍をゲット。


 三人の振袖娘と、三振りの刀が出会った。
 刀が口々に告げる。
 記憶を取り戻すまであと少し。
 だから-血をくれ。


 刀たちの声が聞こえる。
 「私の義経様と最期を共にした女!」
 「嫉妬は醜いですよ、無銘」
 「薄緑!何とかして!」
 「憎まれているのは今剣でしょ?」
 薄緑が汚い声で嘲う。
 告げられた名前。
 それは悲劇の貴種流離譚。
 安宅の関に吉野山、判官贔屓に衣川。
 「#△#」というモノガタリだと。


 クリアして、進化ノ巻物(赤ずきん)をゲット!


 答えを入力して、300魔石をゲット。(義経記はハズレで、ローマ字で、しかも頭は大文字なら正解ってどうよ・・・)
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